CASE02|高校教職員向け「データサイエンス教育研修」実施後インタビュー
2023年3月22日(水)~24日(金)の3日間、名古屋国際中学校・高等学校よりご依頼を受け、データサイエンス教育研修をオンラインで実施しました。この研修は同校の教職員を対象に実施したもので、学校教育における取組の最新事例や、社会におけるデータサイエンスの有用性について話し、データサイエンス教育の必要性をご紹介しました。講師は当社取締役の見並が務めました。
終了後、実際に研修を受講した、同校の教務主任兼国際教育推進主任である黒宮祥男先生へインタビューさせていただきました。
―今回の研修実施へ至った経緯をお聞かせください。
文部科学省委託事業である WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業に採択された本校では、イノベーティブ* なグローバル人材の育成を目指しています。そのイノベーティブな素養の獲得として、「データサイエンス」に関する研修の必要性があったため実施に至りました。
*イノベーティブ【innovative】 革新的な。刷新的な。これまでにはなかった新しさを持つ様子などを意味する表現。
引用:辞典・百科事典の検索サービス – Weblio辞書 国語辞典
―研修講師として当社をお選びいただいたのはなぜでしょうか。
講師派遣実績をホームページ上で拝見し、お問い合わせをしました。打ち合わせの際に、学校や総務省との関係性もあるという点で、本学の研修として適正と考えました。
―研修を実施してみていかがでしたか?
今回は、データサイエンスに関する基礎講座という意味合いもあり知識中心の講話になりましたが、満足できる内容でした。今後、グループワークによる研修も時間があれば依頼したいですね。
―研修を実施後、データサイエンスに対して意識の変化はありましたか。
データサイエンスという言葉は、多くの人が「知ったふり」をしていると感じていました。今回私たちの研修の目的は、研修参加者が 「知ったふり」「無知」であったことに気づくということにありました。ソクラテスの「無知の知」です。その点も含めて “データサイエンティスト” と “データをうまく使う人” には、大きな境界線があることに気づけたため、とても有効な研修であったと感じます。
今後は、教員がデータサイエンティストレベルにデータを活用するスキルが必要で、次にそれを生徒が学べる体制づくりが必要なのだと感じました。
―貴学では今後データサイエンス分野でどのような教育をしていきたいとお考えですか。
まずは教員のスキルアップと、その過程において専門的な外部講師を派遣しながら、教員及び生徒にデータサイエンスの分野を勉強してほしいです。また、本学系列大学や事業連携をしている大学のデータサイエンスの教授や学生との取り組みを増やし、データサイエンスの手法を用いた探究学習を進めていきたいです。
―黒宮先生、ご協力ありがとうございました!
おわりに
ビジネスパーソンとして社会に出る前にデータサイエンススキルを学ぶ環境は、日本の教育現場でも整いはじめてきました。一方で、指導者不足という課題は依然として抱えられたままです。
黒宮先生に今後の展望として語っていただいた「提携機関と連携してデータサイエンスを学ぶ機会を増やす」といった働きがモデルケースとなり多くの学校に取り入れられるようになれば、この課題も改善の兆しが見えるかもしれません。進化の早い領域ですが、論理思考や基本的なプログラミング、データを見て解釈することなど、思考することの本質が高校や大学で指導され、データリテラシーについて生徒たちが正しく学べる体制が広まることを願っています。
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