データ活用で政策づくりを後押し。4自治体が取り組んだEBPMブートキャンプの支援事例
総務省統計局の「令和6年度 EBPMブートキャンプ 」において、当社は、企画・運営の中核を担い、仙台市・駒ヶ根市・香取市・東郷町の4自治体を対象に、地域課題の解決に向けた包括的な支援を行いました。
各自治体に伴走しながら、課題の可視化、統計データや住民調査結果に基づく分析、実行可能な施策の検討に至るまでを一貫してサポート。現場職員や地域住民の声を丁寧に汲み取り、データと現場をつなぐ形で、地域の実情に即した意思決定と施策立案を後押ししました。
地域ごとに異なる課題に向き合いながら、データに基づくEBPM(証拠に基づく政策立案)の実装を目指した各地の挑戦をぜひご覧ください。
各自治体の課題
人口減少、観光客誘致、社会構造の変化など、地域課題の解決は一筋縄ではいきません。
総務省の「EBPMブートキャンプ」は、課題を抱える地方自治体が専門家と共に、こうした複雑な地域課題をデータで見える化し、証拠に基づく政策立案につなげることを目的とした取り組みです。
今回、仙台市・駒ヶ根市・香取市・東郷町の4自治体が参加し、以下のテーマに取り組みました。
- 宮城県仙台市:生活保護受給者の身体活動と基本属性の関係性の把握
- 長野県駒ヶ根市:セミオフシーズンの観光誘客施策の検討
- 千葉県香取市:人口減少対策としての教育環境向上施策の検討
- 愛知県東郷町:町民動向を踏まえた移住・定住施策の検討
当社は、データサイエンティストの知見を活かしながら、現場の感覚や住民の声を組み合わせ、データ分析と現場の実態をつなぐ形で研究会を支援しました。
Rejouiの支援ポイント
各自治体の課題に合わせたデータ収集・分析支援
ケースワーカーや住民へのヒアリング調査設計支援
分析結果をもとにした施策アイデア創出・整理
EBPMのフレームだけにとらわれず、現場の課題構造や住民の声を活かすプロセス設計
各自治体の研究概要
宮城県仙台市
生活保護受給者における身体活動と基本属性の関係性の検討
仙台市泉区では、生活保護受給者の健康支援をテーマに、習慣的な身体活動と社会的孤立との関係を可視化しました。
調査では、座位時間が長い世帯ほど社会的孤立が深刻化する傾向が見られ、生活保護制度の利用自体が身体活動の低下と連関する可能性が示唆されました。
現場のケースワーカーの知見も交え、データと現場感覚のギャップを埋めることで、個別支援や地域活動への参加を促す施策検討につなげています。
長野県駒ヶ根市
セミオフシーズンの観光誘客施策
駒ヶ根市では、春や秋の観光オフ期に焦点をあて、観光消費動向データや施設利用実績をもとに、セミオフシーズンの需要を掘り起こす施策を検討しました。
現場ヒアリングとデータ分析を組み合わせることで、リピーター層や周遊ルートの傾向を可視化。地域の事業者とも連携し、具体的なプロモーション施策や地域資源の磨き上げにつながる検討を進めました。
千葉県香取市
人口減少対策としての教育環境向上施策
香取市では、人口減少が進む中で学校統合や教育環境改善を通じた地域活性化を目指し、教育環境と子育て世帯の定住意向の関係性をデータで検証しました。
データだけでは読み取れない地域ごとの子育てニーズや、住民の思いにも寄り添いながら、学校の統廃合の効果などに焦点を当て、教育環境の強化をまちづくり全体につなげる施策検討を支援しました。
愛知県東郷町
人口減少対策のための町民動向把握と移住・定住施策の検討
東郷町では、移住・定住の促進に向け、町民アンケートや人口動向データをもとに、地域ごとの暮らしやすさの見える化を実施。データ分析を通じて、子育て世帯や高齢者世帯の動向の違いを明らかにし、町の魅力を再整理しました。
定性調査として実施した町民向けのグループインタビューでは、世代別の課題など住民の本質的なニーズを把握し、ターゲットごとの施策案やプロモーション方針の検討に活かされました。
このように、各自治体の取り組みでは、データだけでなく、地域の現場の知見や人の想いを重ねながら、実行可能な施策立案に取り組みました。Rejouiは今後も、地域の皆さまの伴走支援を通じ、EBPMの実践と地域課題解決を後押ししてまいります。
各自治体の成果や取り組みは、総務省のデータ利活用支援サイトで公開されています。
現場とデータの力で地域課題に挑んだ軌跡を、ぜひご覧ください。