データサイエンスを学ぶ上で、欠かすことができないプログラミング言語「Python(パイソン)*1」。シンプルな言語ゆえに広範囲における活用が可能となっており、さまざまな分析を実行するライブラリが公開されているため初心者が学びやすいことが特徴だ。
今回は、小学生にしてこのプログラミング言語を趣味で学んでいるお子さんがいるとの話を聞きつけ、インタビューをおこなった。今後、社会人にとって必須スキルと言われているデータサイエンス。すでにその一歩を踏み出している小学生に、勉強方法やそのきっかけについて話をうかがった。
(*1)Pythonは、組み込み開発、WEBアプリケーション、デスクトップアプリケーションなどでも利用されるプログラミング言語。
上原 輝空(うえはら とあ)くん
小学校6年生
Python勉強中の小学生。新しいことを学ぶのが大好き。総務省主催の「わくわく!統計アカデミー for KIDS2021」に参加し統計にも関心あり。(統計アカデミーの感想をインタビューしたこちらの記事もぜひご覧ください!)
いつからPythonを勉強しはじめたの?
小学校5年生の終わりくらいかな。今、勉強を始めて10ヶ月くらい経ちました。
ーどんなことがきっかけで、学んでみたいと思ったの?
きっかけはパパにおすすめされたからです。僕はあまりゲームをしないんだけど、Pythonについて教えてもらい、「これならゲームの代わりに遊びとしてはじめてみようかな」と思いました。
ーゲーム代わりですか!小学生といえばゲーム大好きだと思っていたので意外ですね。
そうなんです。ゲームはそこまで興味がなかったけど、Pythonで作るゲームにはいくつかチャレンジしました。自分が作ったゲームが動くのは感動するしおもしろかったです。
大人でも苦戦している人が多いPythonですが、勉強は難しくはないですか?
1つずつ調べながら勉強すると、けっこう理解はできましたよ。はじめは本を買って、そこに書いてあることを順番に勉強しました。プログラミング言語はまったくのはじめてだったけど、小さい頃に英語を習っていたから、そこまで抵抗はなかったです。勉強すればするほど「書きやすい言語だな」と感じています。
Python学習の中で、今までに挑戦したことを教えてください。
いま、class(*2)のところで躓いているんです。難しくてわからないと、勉強するのがつらくなってくる(笑)
そんな時は、一度放っておいて、しばらくしたらまた手をつけてみるということもしています。急に調べ方がわかってきたり、答えに行きついたり。放置すると逆に解決することもありました。
(*2)クラス(class)はデータと機能を組み合わせる方法を提供しているもの。
参照:https://docs.python.org/ja/3/tutorial/classes.html
ー大人顔負けの問題解決方法! 同じように周りで学ぶ子はいるんですか?
実は周りでPythonや機械学習に興味を持っている子は1人もいないんです。そんなところも、やってみたいと思った理由なんだけど。
実際に勉強してみたら、自分一人でも十分に学べると感じています。わからないことはインターネットで調べればなんでもわかるし、周りの大人の人に教えてもらったりしています。
ー大人に素直に聞けるのは素晴らしいね!
小さいころから、わりと大人の人と話すことが多かったように思います。なので、特に気にせず大人にわからないことを聞くことができます。知らなかったことをいろいろ知ることができるから、大人の人と話すのはおもしろいです。
ーどんなことも知識として取り入れるのは良いことですね。普段の情報収集はどのようにおこなっていますか?
テレビです!・・・と言いたいところだけど、実はテレビもあまり観ないんです。世の中の常識などは、両親から教えてもらったり、あとは学校の勉強用のテキストから知識を得ることもあります。
ーテキストから?それってどんなテキストなの?
僕の情報源は、国語の長文読解用の論文や随筆です。珍しいってよく言われます(笑)
論文や随筆などには、僕が知らないいろんなことが書いてあって、文章読解をしながらその中身に対しても「へぇ~、そうなんだ!」と思いながら知識を取り入れています。その中で興味があることは、もう少し調べてみたりしています。
ただ問題を解くだけではなく、あらゆるものを知識として蓄えることができるのは、社会人になってからもとても大切な力ですね!素晴らしい!
将来、何か目指している夢などはありますか?
なりたい職業があるわけではないけど、僕自身は自分の事業を作ってみたいなと思っています。Pythonを勉強していると実現できることがどんどん増えているし、学び続けていけば人の役に立つサービスも作れるんじゃないかなと思って。
働いたことがないから、社会に出てお金を稼いでみたいなという気持ちももちろんあるけど。「人の笑顔が私を幸せにする」という言葉が僕の中にあって、将来はそういう仕事をしたいと思っています。
す・・・すごい(インタビュアー絶句)
大人でもなかなかこういった言葉を心根に持っている人は多くないものです。
今から社会に出る意識を高めつつ、この先で良い選択ができることを応援しています!
小学生ながら、データサイエンスの実務で役立つスキルを学んでいるとあくん。「将来は、自分の事業をつくってみたい!」「社会を経験してみたい!」など、とても意欲的でした。プログラムを遊びとして楽しんで学んでいるようですね。本当に将来が楽しみです。
貴重なお話をありがとうございました!