【データサイエンスと彼女のルーツ】-一般社団法人デジタル・イノベーション 石川 恵理香 -

【データサイエンスと彼女のルーツ】-一般社団法人デジタル・イノベーション 石川 恵理香 -

「社会においてデータサイエンスというのは最大の武器となる。」16歳で留学・IT起業後、世界を旅するデジタルコンサルタントとして活躍。自身のYoutubeチャンネルではデジタル領域に関する動画を365日UPし、日本のデジタルを根底から変革 するため日々尽力している彼女。「データはあくまで示唆を得るための材料であり、その先にある結果がビジネスを変革する事こそが重要」と話す、彼女の思考に迫った。

 

石川 恵理香

一般社団法人デジタル・イノベーション 代表理事

16歳で単身ニューヨークに渡り高校時代にIT企業を起業。大手AI企業にてマネージャを経験した後、外資コンサルティングファームで役員を務め、デジタル戦略やデータサイエンス、アドバンストアナリティクス等のデジタルプロジェクト50件以上の導入支援を経験。ハーバード大学IT修士取得後、ビッグデータやデータサイエンス等のMIT認定証4件を取得。 現在は、DXやAIに特化したコンサルティングファームを経営しながら、AI教育企業のCTO、データ管理システム企業のCDO、インテリジェント検索プラットフォームを提供するAI企業の代表取締役社長を兼任している。

Youtubeチャンネル: デジタル戦略365Days

石川恵理香オフィシャルサイト

 

仕事内容

- 現在のあなたの仕事内容、データサイエンスとどのように関りがあるかを教えて下さい

これまで参画させていただいたプロジェクトでは、データエンジニアや純粋なサイエンティストとしての立ち位置ではなく、企業にどのようなデジタル変革を施行していくかという点に焦点を当てたデータマネジメント職に重きを置くロールが主でした。

ハンズオンのデータ分析よりもデータの企業内での利活用です。企業内に眠る平均48%の「ダークデータ(*1)」と呼ばれる非定型データをどのようにビジネスに適用していくかという課題を解決することが、私が最も情熱を注いでいる分野です。

*1 ダークデータとは、ビッグデータの中で、分析可用性や価値が不明な状態のデータのこと。

- データサイエンスの面白みはどんな点だと思いますか?

日本における企業内に眠るデータの量は年々指数関数的に膨張しており、2016年の約1.3PBから2018年には88PB、現在はゼタバイト級にまで増え続けています。こういったデータをフルに活用出来ていないのが企業の課題である反面、データから示唆を得た結果、もしくはそれに準じるプロセスから業務が最適化された結果、プロジェクト開始時に策定したKPIを遥かに上回るパフォーマンスを出し高ROI(*2)を出すケースが多く見られます。 こういったデータ管理、分析、AI適用の施策遂行の中で見えてくるビジネスの新たな課題や知見、ビジネス自体の変革や組織文化の改革等、データが企業に及ぼす影響範囲は非常に広大で時に想定外なので、そういった局面に出会う事がデータサイエンティストとしての醍醐味だと感じています。

(*2)ROIとは、Return On Investmentの略称。投資利益率のこと。

- ビジネスにおけるデータサイエンス活用にどのような可能性を感じていますか?

データは今後も膨張を続け、特にAIの領域ではジェネラルAIと呼ばれる人間と変わらない、若しくはそれ以上のケイパビリティを備えた知的エンティティが開発されようとしています。そのような社会の中、データを正しく理解し、ビジネスに活用出来る人材、企業のみが今後激しさを増すデータ市場において生き残っていくのではないかと思料します。 主にデータ管理やガバナンスがAPACでは今後も伸びていく傾向があるとの統計も挙げられており、今後はこの分野でのデータサイエンスが企業の存続に大きな影響を与え、この部分にしっかりと向き合っている企業がデータを活用した予測等でビジネスをリードしていけるのだと確信しています。

-データサイエンティストとして働いたご経験の中で、特に思い出深いできごと、エピソードを教えて下さい

データサイエンティストとして現場に行くとよく勘違いされるのが、データさえあれば解決策をAIや高度分析モデルを活用して容易に導き出せるという誤解が発生します。データはあくまでドメインナレッジを基軸とした仮説や検証を繰り返し、示唆を得るための材料であり、その先にある結果がビジネスを変革する事こそが重要と常に考えています。 これまでクロスインダストリ(*3)で自動車、製薬、保険、製造、土木、政府、エネルギー、テクノロジー、テレコムやメディア等、数多くの企業様にサービスを提供して参りましたが、一様に言える事は、ITやデータ、AIに対するリテラシーをクライアントサイトで向上させる事こそが組織の繁栄に繋がるという事をプロジェクト毎に深く感じます。

(*3) クロスインダストリとは、業界などカテゴリの垣根を超えた解決方法の採用、コラボレーションによる価値を創造すること。

 

イベント登壇の様子

 

学習方法

- データサイエンスに関する知識をどのように習得されましたか?また現在はどのように学んでいますか?

米国の大学にてコンピュータサイエンスで学士をスタート、卒業時には物理を専攻しており、統計学やIT、量子物理学等、データ分析に関連するベース知識を習得しました。その後は、修士課程でマネジメントとデータサイエンスを習熟し、IBMにてAIを使ったデジタル変革に関わるコンサルティング業務を担う中で知見を深めると共に、現在は毎年のペースでMITでのデータやデジタル領域に関するサティフィケイト(*4)を取得し、最新の知見を習得し続けています。

(*4)サティフィケイトとは、米国の大学などで採用されている専門分野の学修水準または能力を証明する認定制度

―データサイエンスとアナタのルーツを聞かせてください。

必要に迫られて学習し始めたのがきっかけというのが正直なところです。コンピュータサイエンスや物理学、マネジメントやビジネス牽引等、すべての領域に対し、データを扱わない分野は昨今希少かと考えます。そのような社会でデータサイエンスというのは最大の武器となり、課題解決には必須の知見となるため、身につけざるを得ない領域だった為、習得しました。

そのおかげで、今ではバイアスなくデータ+ドメインナレッジドリブンで課題が解決出来るようになり、ビジネスの最前線で働く知識を得る事が出来ました。
これからのデータ社会で生き抜く為には、日進月歩の新興技術やデータ知見を日々取り入れつつ、ビジネスに向き合って行きたいと考えております。

―データサイエンティストとして、今後の目標や挑戦したいことがあれば教えてください。

今後はデータに携わるビジネス開発や企業のデジタル変革により多くの比重を置き、データサイエンスを一つの道具として大きなスコープでのビジネス課題解決への手段として活用していきたいと考えています。具体的には、AIや分析を活用した企業課題解決に対するディスカバリからデリバリ、実装までをエンド・トゥ・エンドで提供するコンサルティングサービスやIT・AIリテラシが低い方でも使い勝手のよいAIインテリジェント検索プラットフォームの提供、データ管理・コラボレーションツールの提供や若い世代向けのデータサロンや社団法人を設立しより多くの方にデータの利活用方法をお伝えしたく活動を進めています。

次世代のデータを取り扱う人材は間違いなく我々の知見を遥かに超えた示唆が出せる人間へと成長するはずなので、その成長に微力ながらも貢献出来る、日本のデジタルを根底から変革出来る人間の一人と私もなれるよう、日々尽力していきます。

―大変興味深いお話をありがとうございました。 今後の石川さんの益々のご活躍を応援しています!