実務で活きるデータサイエンスの学び

これからの社会において必須スキルとされる「データサイエンス」。大学をはじめとする国内の教育機関では、データサイエンス・AI教育を専門的に行う学校が増え、未来の人材育成の基盤となっている。 2020年現在、国内に3校存在するデータサイエンス学部を有する大学のうちの一つ、横浜市立大学に通う上矢 莉子氏。データサイエンス学部で学ぶ傍ら、データ分析コンサルティングやデータサイエンティスト育成事業を展開する、株式会社Rejoui(リジョウイ)でインターンとして勤務している。実務家データサイエンティストを目指し、日々着実に学びを重ねる彼女にとっての「データサイエンス」とは?

上矢莉子(Riko Kamiya)

横浜市立大学 データサイエンス学部に通う傍ら、データ分析・データサイエンティスト育成事業を手がける 株式会社Rejoui(リジョウイ)の長期インターンシップへ参加。同社データサイエンティストのアシスタントとして、さまざまな分析案件に携わっている。

Rejouiでのインターンについて

――インターンを始めたきっかけを聞かせてください。

私が通っている横浜市立大学のデータサイエンス学部の学部長の紹介がきっかけでした。授業の中で、自分が興味のある分野についてレポートを書くという課題があり、私は「HRテック*に興味がある」と書きました。そこで、学部長から紹介を受けたのがRejouiでした。

*HRテックとは、「HR(Human Resource):人的資源」と「テクノロジー(Technology)」を掛け合わせた造語。 テクノロジーの活用で人事業務領域が抱える課題を解決し、効率よく質の高い業務を支援するサービス全般を指します。

――HRテックに興味をもったのはなぜですか?

ヒトに関する領域にはもともと関心があり、教師になりたいと思っていた時期もありました。普段視覚化しづらいヒトに関するデータを、分析したりビジュアル化したら面白そうだな、と考えるうちに、教育だけでなく人事領域にも興味を持つようになりました。

――インターンではどのような仕事に取り組んでいますか?

Rejouiで行っているデータ分析プロジェクトの分析アシスタントを任せてもらっています。Excelでのデータ集計や、お客様に提出する報告書のグラフ作成などが主な業務です。

――現場で実際に働いてみてどうですか?

授業ではRやPythonなどあらかじめ使用する言語が決められていますが、仕事では案件の内容に応じて選択肢が変わり、授業では使ったことのない言語で分析することもあるので、勉強になることがとても多いです。

――これまで携わった仕事で、自分にとってチャレンジとなった案件はありましたか?

案件ではないのですが、Rejouiの社員の方々をアンケート回答データに基づいて性格因子別に分類するという分析をしたことがあります。その際、アンケートの作成・集計・クラスター分析など未経験の領域に挑戦できました。はじめて操作するソフトで難しかったですが、とても良い経験になりました。

――インターンとして働いて良かったことは?

わたしはプログラミングはそこまで得意ではないので、色々な言語をさわらせてもらえることが嬉しいです。

自主的に学ぶとなると何をすればいいかわからなくなってしまいがちですが、仕事では目的が決まっているので知らない言語でも学びやすかったです。

――仕事を経験する中で、もっと深く学びたいと思った分野はありますか?

わたしは趣味で絵を描くことが好きなので、デザインや美術など、感性が強いイメージの分野とデータアナリティクスを掛け合わせた研究ができたらいいなと思っています。

データサイエンスはデータがあれば何にでも応用可能と言われていて、そこが大きな魅力の一つです。

横浜市立大学データサイエンス学部について

――進学時にこの学部を選んだ理由を聞かせてください。

受験生のときに大学情報を調べていたら、横浜市立大学にDS学部が新設されるというチラシを目にしました。その後のオープンキャンパスで、データサイエンティストの仕事について知り、「おもしろそう!」と思ったのが最初のきっかけでした。

データサイエンスについて学びたいと思っていたというよりは、データサイエンティストという「新しい仕事」に惹かれたのが理由です。

――実際に入学してみて、いかがですか?

座学だけでなく、実際にPythonなどのプログラミング言語に触れる機会もあるので楽しいです。いまは2年生なのですが、来年からゼミもはじまるので忙しくなりそうです。

――周りの学生はどんな雰囲気ですか?

意欲的な子が多いですね!私ももっと頑張らなきゃと焦ることもあります。

――DS学部の男女比はどうですか?

男女比で2:1くらいです。女性の先生は1人しかいませんが、生徒は女性が特別少ないということはありません。

――DS学部だと、学ぶ科目や専門領域を突き詰めるような授業が多いのでしょうか?

先生によって違いますね。数学が得意な先生や理論的な授業の先生もいますし、プログラミングも理論か実践かで先生が異なります。

自身の今後について

――現時点で卒業後にやりたいことなどのイメージはありますか?

ゼミに入って自分の研究したいテーマがみつかれば大学院に入りたいなと考えています。仕事はいずれというか、研究の先で見つかればいいなと思っています。

――では今後は、どの領域でスペシャリストになるかを決めることが課題でしょうか?

領域はゼミに入る時点である程度決まってしまいますが、研究テーマは人それぞれなのでそこで何かしら自分の分野がみつけられたらいいなと思っています。

いまはまだ、ゼミの特徴などを詳しく聞けていないのでこれから集めて考えていくつもりです。

――上矢さんがより多くの経験を積み、データサイエンティストとして活躍する日を楽しみにしています!本日はありがとうございました。

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