明星大学データサイエンス学環(仮称) 2023年4月に開設予定
明星大学は、2023年4月に「データサイエンス学環」の開設を予定していると発表した。
学部の垣根を越えて、数理科学・統計学・情報学を基盤とするデータサイエンスの専門知識と実践的な技術に加え、実社会における活用方法を学ぶことで、社会のあらゆる分野で活躍する即戦力を育成するという。
データサイエンスに精通した即戦力を社会へ輩出
データサイエンス学環では、幅広い社会的課題を発見・解決できる力を身につけるために、「基幹科目」「応用科目」「研究実践科目」の3つの科目区分を設け、データサイエンスについて体系的に学ぶという。
学生の興味・関心や卒業後の進路に応じて、データサイエンスの実際の活用現場や、対象となるデータ等について学ぶ。4年間の学びを通じて大量のデータを正しく扱い、新たな価値を創りだせる、分析力と応用力を身につけられる。
卒業後には、AIエンジニアや総合商社でのマーケティング担当、さらには経営コンサルタントなど社会のあらゆる分野での活躍が期待される。
高まるIT人材需要
経済産業省の調査によると、2030年にはIT人材が国内で約79万人も不足すると予想されている。明星大学は、この社会課題にいち早く対応できる人材養成に取り組むべく、データサイエンス学環を開設し、21世紀のデジタル社会が求める知識・技術を備えた人材を輩出する狙いだ。
金沢工業大学 2022年 データサイエンス教育必修化
金沢工業大学は、2022年度よりデータサイエンスの3科目を全学部全学科の必修科目とし、新たなデータサイエンス教育をスタートすると発表した。
金沢工業大学では現在、「AI基礎」の科目が必修となっており、このほかにAI、IoT、ICTに関する発展的な内容を学べる「AIとビッグデータ」「IoTとロボティクス」「ICTと情報セキュリティ」のコースが設けられている。
今後、データサイエンス3科目が必修化することで情報技術教育が充実し、学生が所属学科の専門に加えてデータサイエンスの能力を獲得できるようになり、新たな人材育成がこれからの技術革新・DXにつながることが期待されている。
プログラム概要図
大阪成蹊大学データサイエンス学部 2023年4月に開設予定
大阪成蹊大学は、2023年4月に西日本の私立大学では初となるデータサイエンス学部(仮称)を開設予定だと発表した。入学定員は80名を予定しているという。
以下、設置準備室長である中村 佳正氏のメッセージから一部抜粋して紹介する。
未来社会が必要とする新学部、新キャンパス、新建物、新任教員
同学部では10の特色を設けており、未来社会が必要とするデータサイエンス学部の自由で最適な設計を可能にするという。中でも、教員陣は、一流のデータサイエンティストである17名が集結し、カリキュラムや学習環境を一から設計している。
文理融合型の入試形態
データサイエンスは理系か文系かという議論があるが、その議論はあまり重要ではない。大事なのは現実のビジネスやエンジニアリングにおいていかにデータを役立てていくかが大切である。このため、一般選抜の試験科目は、英語、数学Ⅰ・Aが必須、国語、数学Ⅱ・B・Ⅲは選択とし、文系・理系それぞれ強みを発揮できる入試を実施する予定となった。
AIによる課題解決の学び
入学後の学びの一つの柱は課題解決のためのデータサイエンス科目である。
未来社会において圧倒的に足りなくなるといわれるAI人材の育成のため、さらには社会のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の加速のため、充実した教員による、知識とスキルを着実に積み上げるカリキュラムを整えている。
未来CP(クリエーションプロジェクト)から始まる4年間のプロジェクト
もう一つの学びの柱は、データサイエンスによる課題探索である。
データによる課題探索の能力は、プロジェクト演習を繰り返すことでしか身につかないため、大阪成蹊大学では、4年間を通じた実習科目を用意している。
京都女子大学データサイエンス学部 2023年4月開設予定(仮称・設置構想中)
京都女子大学は、2023年4月にデータサイエンス学部(仮称)の設置を構想中だと発表した。データを読み解き、課題解決に活用する力が必須のスキルとなったいま、社会の多様な課題を発見する感性や、課題解決に向けて適切なデータを収集・分析・活用するスキルを身につけるための文理融合型プログラムを導入するという。
①丁寧にデータサイエンスを身につける
データサイエンスの基盤となる統計学、情報学を体系的に学ぶとともに、社会の課題を洞察し、解決に向けてデータサイエンスを応用する力を身につけるため、経済学、経営学、心理学、社会学など幅広い知見と、課題を発見する感性・情報収集力を磨くカリキュラムを構築。また数学が得意でない学生のサポート体制も整えるという。
②行政・企業と連携し、実社会で活きる力を身につける
行政・企業等と連携したPBL(課題解決型学習)を展開し、実社会の問題・データに基づき、実践力を身につけるプログラムを導入するという。
③ジェンダー平等に貢献できる教養を身につける
意思決定領域における女性参画を推進するなど、女性の活躍だけでなく多様性を尊重する社会の実現に貢献できる人材を養成するという。
プログラム概要図
一橋大学、2023年度にソーシャル・データサイエンス学部・研究科(仮称)設置予定
一橋大学は2023年度に「ソーシャル・データサイエンス学部・研究科」(仮称)を設置する計画を発表した。社会科学の視点からデータサイエンス領域の新たな教育研究分野を確立する、日本初の学部を構想しているという。
ビジネス人材育成
社会のデジタル改革が進む中、ビジネスや行政の現場に蓄積されるデータを活用、ビジネス革新や社会課題解決に向けた提言ができるリーダーの育成を目指すという。
また、大学院のソーシャル・データサイエンス研究科は、統計学やAI(人工知能)、プログラミングなどの専門的な知識を持ち、データの活用によってビジネスで新しい価値を見つけるとともに、新しい社会科学の構築に寄与できる人材を育成する。
グローバル人材育成
カリキュラムはデータサイエンスを学ぶ上での基礎に加え、商学部、法学部、経済学部、社会学部の既存4学部と連携して社会科学のさまざまな分野を学ぶ。
さらに、海外留学やビジネス・イノベーション分析などを通じてデータサイエンスの応用を学習するという。
一橋大学はさまざまな企業のデータサイエンティスト、政府機関や金融機関、シンクタンクなどのビッグデータ分析・予測担当者、統計学の研究者らを育てるとしている。
名古屋市立大学データサイエンス学部(仮称) 2023年4月 開設予定
名古屋市立大学は、2023年4月へ向けてデータサイエンス学部(仮称)設置構想中だと発表した。ビッグデータを科学的に分析できる人材を目指す狙いで、入学定員は1学年80名を予定しているという。
教育研究目標
多様な分野のビッグデータを社会課題の解決に活用するため、データ分析や社会理解に資する理論、活用分野の知識、データ分析・分析手法にかかわる知識や技術の習得、さらにデータを活用した演習や卒業研究などを通じて、社会においてデータサイエンスを活用する実践的な能力を養成することを目指すという。
人材育成目標
統計学や情報科学を横断的に活用し、実社会における膨大なデータから有益かつ新たな知見を引き出すことを通じて、社会と地域における諸課題の解決に取り組み、社会の発展に貢献できる人材を目指すという。