【インターンコラム】現役学部生が紹介!横浜市立大データサイエンス学部ってどんなところ?

【インターンコラム】現役学部生が紹介!横浜市立大データサイエンス学部ってどんなところ?

注目が集まるデータサイエンス学部
近年、情報環境の発達によって、あらゆる分野において蓄積された膨大なデータの利活用に注目が集まっています。データから価値を見出し取り扱うことができる人材であるデータサイエンティストの確保は、官民を問わず国内で急務となっています。こうした社会背景を受け2018年に新設されたのが、筆者である私が現在通っている横浜市立大学データサイエンス学部です。データサイエンス学部は2020年4月現在、横浜市立大学のほかに滋賀大学、武蔵野大学に設置されており、その他の大学でも新たに学部を新設、改設する動きが活性化しています。
 本記事では、実際に私が在籍している横浜市立大学データサイエンス学部について、授業内容を中心にご紹介します。

 

鈴木徳太(スズキノリヒロ)

所属:横浜市立大学データサイエンス学部2年生(2020年4月)

幼少期から野球ひとすじ。高校時代に所属していた野球部では、相手校のデータ分析を行なった経験を通じてデータサイエンスに興味を持つ。現在は医療領域におけるデータ活用に関心を持ち、大学院進学を目指して勉強中。

 

私がデータサイエンス学部を選んだ理由

横浜市立大学データサイエンス学部は、2020年で開設3年目となる新しい学部です。認知もあまり高くなく、先輩が少ないこの学部をなぜ進学先に選んだのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

私は高校時代、硬式野球部に所属していました。そこではプレイヤーとしてだけではなく、対戦相手校の分析などを行う分析委員会の委員長としても活動を行っていました。野球におけるデータの活用はセイバーメトリクスと呼ばれ、国内外のプロチームでも非常に注目されています。こういった部活内での活動を通して、私はデータ活用の有用性や楽しさを知りました。そして、大学でさらにデータについて深く学び、自分のキャリアにも繋げていきたいと考えるようになりました。

データサイエンス学部の授業内容は?

「データサイエンス」という言葉は定義としても広くとらえられていますが、私自身は以下のように考えています。

(統計学+コンピューターサイエンス)× 社会展開

横浜市大のデータサイエンス学部では、統計学や微積分学、線形代数といった基礎的な数学をもとに、それぞれの応用分野へ進んでいくという授業方針をとっており、学生自身が関心のある分野を軸にデータサイエンスを学ぶことが可能です。加えて、学内セミナーとして企業人を講師に招き、実ビジネスにおけるデータサイエンスの活用例を知ることができるのは、学生にとってとてもありがたいです。カリキュラムの特徴として、以下の3点が挙げられます。

  1. 文理融合
  2. 現場重視
  3. 国際水準の英語力

 

1. 文理融合

学部の特徴として、専攻科目だけで文理を分けずに、それぞれの得意分野や経験を活かしてナレッジシェアできる仕組みがあります。授業内では、グループワークで協力し合いながら、自分の意見を言う機会も多く、とても良い刺激になっています。データサイエンス学部の在籍者数は、各学年約60名ほど。バックグランドとして、高校時代に理系科目を専攻していた学生の人数がやや多い印象ですが、文系科目を専攻していた学生がデータサイエンスの道を志すケースももちろんあります。

2. 課題解決型学習の導入

横浜市立大学データサイエンス学部では第3学年の必修科目として、PBL(Project-Based Learning、課題解決型学習)があります。これは全ての学生がインターンとして約1カ月間実際に会社へ行き、業務に関わるというものです。この実習を行うことで、学生は社会におけるデータサイエンスのリアルを知ることができるとともに、学生のうちにビジネススキルを学ぶ経験を積むことができます。

3. 国際水準の英語力

データサイエンス学部に限らず、横浜市立大学全体として、学生が英語力を修得するための教育に力を入れています。特にデータサイエンス学部においては、プログラミングを学ぶこともあり、それらの言語を扱うためには基礎的な英語力が求められます。また、最新研究の論文、参考文献が英語で書かれていることも珍しくなく、データサイエンスを学ぶ上で英語の学習は必須ともいえます。私自身も、アカデミックな英語技能の向上のために、必修科目以外の講義をいくつか履修しています。

現在、横浜市立大学にはデータサイエンス学部のほかに以下の4つの学部があります。

〇  国際教養学部
〇  国際商学部
〇  理学部
〇  医学部

 総合大学の強みでもある、政治、経済、金融、公共、生命科学、医療などを幅広く学ぶことが可能な環境が整っており、将来に向けての選択肢が多く取ることができる点は大学としての魅力です。加えて、横浜市立大学はST比(S:Student , T:Teacher)、つまり教師一人当たりに対する学生数が少ないのも特徴で、学生と教師の距離感が近く、交流が活発に行なわれています。

学部内の男女構成

 私が在籍するデータサイエンス学部2期生は計64名おり、男子学生が40名(62.5%)、女子学生が24名(37.5%)です。授業内の課題や、学外コンペティションの際に同級生に相談したり意見を求めたりすることはよくありますが、自分とは異なる視点の意見を得ることができ、多様性のある環境だと感じています。

 また、同学部の准教授である小野陽子氏は、米国スタンフォード大学発祥のデータサイエンス人材育成のシンポジウムであるWomen in Data Scienceのアンバサダーをつとめています。横浜市立大学が主催となり2019年より毎年行われているWiDS TOKYO@Yokohama City University(https://wids-ycu.jp/)の活動を通じて、多方面で活躍されています。

今後の見通し

横浜市立大学データサイエンス学部は2021年度に新入生が入学すると、ようやく全学年が揃います。2020年4月より、首都圏初となるデータサイエンス研究科(データサイエンス専攻、ヘルスデータ専攻)が設置され、今後はさらに盛り上がりを見せるでしょう。

 現段階では卒業生がいないため具体的な就職先などの情報はありませんが、外部のコンペティションで表彰をされたり、企業インターンに参加している学生も多く、今後の活躍が期待されます。

まとめ

 ビジネスにおけるデータサイエンティストの役割は、企業の利益を最大化するために、問題点の明確化、課題解決を行なうためのビジネス力も求められます。横浜市立大学では、データサイエンス関連の知識や技術的なスキルの指導に加え、それらを活かす応用力、ビジネス力の育成を目指す非常にバランスの良いカリキュラムとなっています。

 私がこの学部に進学して最もよかったと思っていることは、統計学の基礎を学ぶことで数字やデータを正しく解釈することができるようになったことです。近年ではメディアを通し、一般の方々もグラフや数字を目にする機会が増えてきています。この領域に携わるものとして、データに関する基礎力を身につけ、データ読み解く力を身につけることが今後データサイエンスを学ぶ学生に求められています。

この記事を読んでご興味を持った方はこの機に統計学やデータサイエンスを学んでみてはいかがでしょうか?

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